私事ですが、一般社団法人日本ボイストレーナー連盟と言うところで代表理事を任せていただいております。
この一般社団法人日本ボイストレーナー連盟と言うのはどういう組織なのか一応ご説明させていただくと、日本のボイストレーニングの質の向上、外部から見ての透明性の強化、これら第一に考えて活動している組織です。
毎月1回の割合でボイストレーニングに関する『勉強会』と言うのを参加者さんを集めて開催しておりまして、最近はそこの勉強会で私が教鞭をとっていることが近頃よくあります。
この勉強会と言うのはボイストレーニングを多くの方々にご理解いただこうと言うものですが、私個人は来月でボイストレーナーとして20年勤め上げてきたという自負もございますので、正しい知識を皆さんにお与えできるよう義務感を持ってやらせていただいております。
ボイストレーナーを20年間やってきて思うことがあります。
「正しいボイストレーニングの知識を教えているボイストレーナーがあまりにも多すぎる」と言うものです。
例えば音楽と言う面でボイストレーニングの必要性を考えた場合。
中世ヨーロッパの頃から音楽の3大要素はメロディー、リズム、ハーモニーが重要だと考えられてきました。
しかしながら、すべてのトレーナーがいけないと言うわけではありませんが、リズムやハーモニー(もしくはその他の楽器と合わせてのアンサンブル)をあまりにも無視してトレーニングをしている現実があります。
ボイストレーニングにおける『腹式呼吸』や『声の響き・共鳴』などは音楽で言う所の氷山の一角?いや、塵みたいなものです。
しかし、そればかりが特に歌い手さんにはフューチャーされ過ぎている気がしてなりません。
自論です。
多くの生徒さんは音楽業界の事実が不透明であるがゆえに間違った教えの元でボイストレーナーに師事されている…これもまた事実ではないでしょうか?
これでは日本のボイストレーニング業界はアメリカやイギリスに永遠に遅れをとって追いつく事はないと思います。
正しいボイストレーニングの知識を身に付ける事は業界全体の底上げにもなります。
それは経済的にも知識的にも深みが増してヨガのように一般社会にもっともっと溶け込んでいくことができるはずなのです。
私はこれからもこの日本ボイストレーナー連盟に関しては利益追従型では無い義務感を持っての指導を心がけて邁進していきたいと思っています。
出来る人間が、経験した人間が後進へ教えを伝えて行く。
ある意味、戦争体験者が後の時代に出来事を伝えるのと同じ理論ですが、とても大事な事だと思って、使命感を持って『勉強会』をやって行こうと思います。